ルカ 2:29 主よ、今こそあなたは、お言葉どおりこの僕を安らかに去らせてくださいます。
幼子イエスをメシアと告白するシメオン賛歌で、クリスマスの出来事はクライマックスを迎えます。シメオンは幼子イエスを見たとき、イザヤ書の「主の栄光がこうして現れるのを肉なる者は共に見る」という預言の成就を見ました。神様の言葉が実現したことを見たシメオンは「お言葉どおりこの僕を安らかに去らせてくださいます」と歌うことができました。神様による約束は必ず実現することを知ったからです。
京都の清水寺に、大西良慶という貫主がおられました。良慶貫主が書かれた本の中で「悟りとはいつ死んでもいいという覚悟ができた時」という言葉があります。100歳を超えての法話で語られたものです。良慶さんとして親しまれた老和尚の含蓄のある言葉に感銘を受けました。「ほっといかて死によるんやから、死をおそれない」。すでに悟りを開かれていたのでしょう。なんだかシメオンと通じるものを感じました。
2010年も仕事納めを迎えました。今年1年を振り返り、神様からの多くの恵みと導きがあったことに感謝したいと思います。私たちの働きは、神様の働きの中の一部分にしかすぎません。しかし、その一部分でも各自が誠実に関わって1年の終わりを迎えることができました。今日1日はそのことを覚えて感謝のうちに仕事納めをしたいと思います。