マタイ 26:34 イエスは言われた。「はっきり言っておく。あなたは今夜、鶏が鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう。」
イエス様は過越しの食事のあと、ペトロに「三度わたしを知らないと言う」と否認の予告をされました。この予告のまえにイエス様は、ゼカリヤ(旧約)書から預言の言葉を引用しておられます。この預言の言葉を通して、「イエス様は羊飼いであること」「その羊飼いが受難を受けること」「受難は神様の御心によること」を示されました。その上でなお、羊飼いであるイエス様をおいて、ペトロをはじめとする弟子たちが逃亡する予告されたのです。
4月9日付けキリスト新聞に「残るべきか、去るべきか~悩む宣教師それぞれの葛藤~」という記事がありました。今回の大震災で福島第一原子力発電所事故で放射線被害が拡大する事に伴い、宣教師の多くが国外に出国している事を伝えています。そこに、今なお続く危機が宣教師にとり前例のない挑戦だとしたうえで、あるセンター長の宣教師の言葉がありました。「宣教師は普通、現地の状況に密接に関わっており、脱出する最後の人間になることもしばしばだ。津波と地震、さらに戦争とか疫病でさえも、宣教師は歴史的にも離脱する最後の人だった。それはそこが家であり、働き場だったからだ。しかし放射線は全く別のものだ」と。今の状況の中で、どう判断するかはそれぞれに任されています。被災地から逃げることができない教会もあります。非難・批判することではありません。この現状が収まり、再び日本に帰国する宣教師はそのとき何を見、なにを感じるのかなと思います。
ペトロはイエス様の予告に「あなたのことを知らないなどとは決して申しません」と言いました。しかしその約束は破られてしまいます。それでもイエス様は暖かい視線をペトロに送られるのです。ペトロはイエス様の視線に気がつき「激しく泣いた」と聖書は記しています。イエス様はどのような状況にあっても、暖かい視線をおくっておられます。だからこそ、いま信仰がとわれているように感じます。
<音声朝礼は「神様の色鉛筆」でどうぞ!>