マタイ 7:7 求めなさい。そうすれば与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる。
イエス様は山上の説教のなかで「主の祈り」を教えてくださいました。そのあとたくさんの教えの中に、今日の3つの事柄を示されています。「求め」「探し」「門をたたく」。これは別々のことではなく、祈りということをテーマにしています。神様に祈ることの大切さと、真剣さを教えられたのです。私たちはどんな状況にあっても神様に祈ることができるということでもあります。
住んでいた自宅、そのまわりをすべて津波でながされた被災者の方が現地を案内して下さいました。基礎だけを残して何もなくなった所をみながら言われました。「ここに家があったんだよ~」「全部なくなちゃたんだよ~」「もうあきらめたけど、悲しいねえ」「親戚や従兄が8人ながされたんだ~」と。そのとき、その言葉を聞くだけしかできませんでした。深い悲しみと失望がそこにあります。それに寄り添うことができるだろうか。自分は何を神様に求めればよいのかと自問自答しています。まだ求めることもできない大きな悲しみの中で、それでも神様に祈ることができる日はいつくるのでしょうか。「今はなんにも考えられない」と言われました。
イエス様は「求めなさい」「探しなさい」「門をたたきなさい」と言われました。大きな悲しみに出会ったとき、人はすべてが止まってしまいます。次に何をしたらよいかわかりません。しかし、イエス様は「求めなさい」といわれます。イエス様が共にいてくださることを信じたとき、はじめて神様に求めることができます。そのことを証しするために、ルーテル救援はずっと寄り添っています。