ヨハネ 20:25 トマスは言った。「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない。」
使徒トマスのことをヨハネ福音書では「ユダ・ディディモ」とあります。本名ユダのあだ名とも考えられています。ディディモというのは「双子」という意味です。彼が双子であったかどうかはわかりません。彼の言動から「ふたごころ」という気持ちの揺れを「双子」と表現したのかもしれません。
使徒トマスに関しては12使徒の一人として挙げられるほかは、ヨハネによる福音書に、トマスのいくつかの言葉が残されています。それをみると、情熱はあるが、イエス様の真意を理解せず、少しずれている人物として描かれている。有名なことは、イエス様が復活したという他の弟子たちの言葉を信じないが、実際にイエスを見て感激し、「私の主、私の神」と信仰告白をしています。トマスはイエス様の傷に自分の手を差し込んで確かめたいと言ったのです。イエス様は「あなたが信じるなら触ってみなさい」と手を差し出しておられます。
使徒トマスのことを「疑い深いトマス」と呼びます。しかし、イエス様を「私の神」と告白したのは使徒トマスだけです。心から信じるために疑ったのが使徒トマスでした。かれは疑いをもったうえに、イエス様が「あなたが信じるなら傷の痛みを繰り返してよい」との深い愛によって信仰告白をしたのです。
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