5月13日午後3時33分、引退教師で脳梗塞のため入院治療中の古財克成先生(享年80才)が召天されました。古財先生は、足を向けて眠ることができないほどお世話になった先生です。九州学院の大先輩でもあります。それ以上に私の牧師としていつも暖かい言葉をいただきました。心から感謝するだけでなく、涙が流れてしかたありません。
神学校の頃、市川教会にて教会実習をさせていただいた時が初めての出会いでした。当時は、知る人ぞ知るやんちゃ時代でした。何度、神学校を飛びだしてエスケープしたことか。授業には一切出席せず、400CCのオートバイで全国を走り回っていました。自分の存在に悩み苦しんだり、聖書を投げ捨てたり。結局、神学校をやめる決心をして荷物を青森におくりました。鉄工所で働くことにしていたのです。青森にいく前に、古財先生にだけは事情を説明しなければと最後に市川教会に出向きました。古財先生は、夕方8時から明け方まで「うん、うん」と話を聞いて下さいました。寒い冬のことでした。ありったけの思いを聞いていただき「先生すみません。ホントは牧師になりたいです」と言いました。すると古財先生は「みんな君のことを見捨てて忘れてしまうよね。でも、イエス・キリストは最後まで、決して君を見捨てない。諦めないよ」と言われました。その言葉で自分に立ち帰りました。本当はキリストの召しに従いたい。だから苦しんでいるのだと。そのことに気がつかせていただいたのです。それで神学校に帰りました。
帰る決心はしたものの退学届をすでに提出していました。古財先生は「僕が一緒にいって頭下げるから大丈夫」といって本当に謝ってくださったのです。神学校の先生たちも古財先生がおっしゃるならと大きな心で赦してくださいました。まあ、それからもいろいろとありましたが。それはまた今度。
牧師になってからも、東京教会の後任になって下さり、徳山・防府・柳井教会時代には古財先生が防府教会の初代牧師でしたから古財先生門下として暖かく迎えていただきました。まだまだ思い出はつきません。先日も「立野くんは現場がよか牧師だけんね~」と言って下さいました。大江教会への赴任も一番喜んでくださり「やっぱ九学出身の牧師がいかんといかんばい」と励ましてくださいました。古財先生は大江教会でミラー先生から洗礼を受けられました。大江教会は母教会です。これまでの導きありがとうございました。