九州教区社会奉仕部主催「東日本大震災・祈りと巡礼の旅」が無事に終わりました。とても深い旅になったという感想をいただきました。まだ終わっていない大震災の被害を身をもって体験されたことと思います。
この旅の始まりは昨年10月でした。伊藤文雄牧師(元ルーテル教会救援派遣牧師)の一言からです。「昨年も3.11に花を届けたよね。次の3.11もお花と祈りを届けたい」と言われたのです。2012年3月11日、あの時はまだ支援活動に携わっていました。1年がやってくる。多くの被災者の方が「3.11がきたら変わるよ」と言われていました。何が変わるのか、いや変わってほしいと言う願いなのか。とにかく「変わるよ」という言葉が印象的でした。そしてわかったことは、悲しみ痛みがさらに深いところに入り込んでしまったという事実でした。
そこで一つの区切りとして「祈りと花を届けよう」プロジェクトを開始したのです。お花は広島教会員のY姉が準備して下さることになりました。お花屋さんですので、仲間を募って資金を集め用意して下さったのです。その数650個のプリザートフラワーでした。それを伊藤先生と2人で、1軒1軒回って届けました。「3.11が来ます。私たち何もできませんでした。祈りの時にこの花を共に置いてくだされば再輪です」。伊藤先生の言葉です。
そしてまた1年がやってきました。今回もまた祈りと花を届けることができました。昨年の花を大切に持っておられた方、「ルーテルさんにはいつも世話になって」と言ってくださる方。九州教区からでかけた参加者は「ルーテルさん」と呼ばれ、みな知っていてくださることに何かを感じていただけたようです。被災地はまだこれからです。複雑になっていく痛み、苦しみと共に寄り添うのはこれからです。たとえ支援活動の終了が来年であっても、私は出会った人々と寄り添うことを続けていきたいと願っています。