マタイ 14:28 ペトロが答えた。「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」
何事にも動じないと言う人がいます。19日に天に召された石橋幸男牧師がその人でした。あいまいな表現は何もない。いつも答えを持っている。一つの筋が通っている。いつもすべてをわかっている。未来を見通して、過去をみている。とにかく自信がみなぎっており、何を聞いても答えて下さる。そんな先生を見ながら、この力強さはどこから来るのだろうと思っていました。先生が示して下さった信仰生活の中に答えを見出していく作業がこれから始まるのだと思います。
イエス様には、ガリラヤ湖で水の上を歩くという奇跡があります。弟子たちの乗った船は湖の上で、波と逆風に悩まされていました。弟子たちは船の中にイエス様がいてくださったらと思っていました。悩み苦しむ弟子たちの船に、水の上を歩いてイエス様が近づいてこられたのです。それをみたペトロは自分も水の上を歩けるとおもったのでしょうか。「水の上を歩いてそちらに行かせてください」とお願いしています。どうしてそのような言葉が言えたのか不思議です。
茂木さんの著書に「根拠なき自信」ということが書いてありました。そもそも自信というものは、何らかの成功体験から生まれると言われています。自信を持つには何らかの裏付けが必要だといわれています。しかし、何の成功体験もないままに、最初に自信をもっておくというのも大切なことだというのです。これを「根拠なき自信」というそうです。その自信はどこからくるのかと聞かれても、そんな根拠はどうでもよく、とにかく自分は自信があると考える。すると面白いことに、自信を持っている脳の状態になるというのです。つまり積極的な脳をつくりあげることが、不確実な時代には必要だというのです。
ペトロは水の上を歩いてイエス様のもとにいきました。歩けるという自信があったわけではありません。イエス様の命令なら水の上を歩くことができると信じたのです。これも根拠なき自信です。しかし、途中でおぼれそうになってしまいます。最後まで信じて歩くことができなかったからです。根拠なき自信でもイエス様によって信じさせてくださる信仰を疑ってはならないのです。
<音声朝礼拝は「神様の色鉛筆」でどうぞ!>