恩師・石橋幸男牧師は、2013年5月19日ペンテコステ主日の19時50分に天に召されました。先生は最後まで現場に生きる牧師でした。そしてなにより牧会者でした。教会行政に生きるよりも、日本人の精神構造を解明しその深いところにむけての宣教を最後まで追い求めておあれました。またこの数年は幼稚園の子供たちに英語を教えておられました。昨年の卒園式では子供たちをみて「この子供たちにキリストと共に生きることを伝えるには自分には時間がない」と涙を流されたと言います。
長男であり、九州学院の同級生であった幸成兄は遺族代表挨拶で次のように言われました。「父が天に召されたのは19:50分、立野牧師にそれを伝えたのが19:54分でした。すると彼はあの笑顔と声で『そうですか、よかったね』と言いました。私はその言葉で救われました。父はこれまで何百件の葬儀をさせていただきました。牧師館に電話連絡があるたびに『よかったね』と言っていたことを思い出しました。彼の言葉はまさに父の言葉でした」と。
自分ではまったく意識のないことでした。もしかすると石橋先生がわたしを通して息子さんに遺された言葉かもしれません。先生は葬儀は人生における最大の伝道集会だと言われていました。「天国への凱旋、よかったね」が先生の福音メッセージだと思います。
葬儀の最後にDVDが流されました。もう意識のない石橋先生を先生が愛された「るうてるホーム」にお連れしたときのものでした。病院、るうてるホームスタッフの協力により救急車での訪問でした。ホームに入居しておられるたくさんの方々が先生に言葉をかけ、讃美歌を歌って感謝をしておられました。最後に「先生一言」とほとんど意識のない先生に言葉をかけたときのことです。石橋先生は目を大きく開き「ありがとう」と言われたのです。はっきりと。先生は最後まで牧師として生涯を全うされました。先生の好きな言葉は「グッバイ」でしたが、これは「ゴッド バイ」神様が共にいるということだと教えてくれたのです。「石橋先生!ゴッド・バイ!」「またね!」。