有名企業の社長でありキリスト者である方の講演をきいたことがあります。その第一声は「牧師は総辞職せよ」でした。企業であれば業績があがらない社長はすぐに辞めさせられるか、辞職をする。しかし、教会は100年たってもクリスチャン人口は1%にもならない。総辞職して全教会新しい牧師に改めて始めた方がよいというものでした。かなり衝撃を受けたのを覚えています。しかしそれは真実かなと思いました。
その方に何か知恵をいただきたいと申し出ました。彼には潰れそうになった会社を有名企業に変革した実績があったからです。またその方の所属している教会の成長は著しいものでした。彼は一人の名前と、一冊の本を紹介してくださいました。それは「P.F.ドラッカー」と「非営利組織の経営」でした。もう10年まえのことです。その本を読みながら大切なことは「マネジメント」、その中で「マーケティング」と「イノベーション」だと考えました。この2つを教会でどのように展開するかをずっと考えていました。
そのときこれからの教会の目的は「求道者の創造」だと思いました。信徒を創造するのではなく、もっと広く人の苦悩に寄り添いニーズを知り、教会を通してキリストのみ言葉を提供する(マーケティング)。新しい見方、考え方で教会の資源を活用してより大きな価値を生む(イノベーション)。その中心にあるのは教会のミッションです。
なんだか難しいことを書いているようですが、「新しく創造すること」、その楽しさ喜びを知ることです。大江教会に赴任してそれを実行させていただいています。きっと理解できないこともあるでしょう。なぜ集会室をカフェにするのか。どうしてパイプ椅子机ではなくアンティークの家具なのか。その答えは、礼拝堂聖なる空間プロジェクトにより教会がどのように変わったかを見て頂きたいと思います。中高生が増え、礼拝出席の平均が増え、喜びプロジェクトで昼食を食べる方が増えました。数値として結果が出ていることが答えです。教会カフェ化計画はこの流れの中にあります。