礼拝堂聖なる空間プロジェクトは継続中です。今回は聖卓にクロスをかけました。テーブルクロスという意味もありますが、もっと深いことを考えています。よく見てみると四隅に房が付いています。これが大切なことです。
聖書時代、イスラエルの男性は誰でも、飾り房が四隅についた長四角い上着(タリート)、長辺3mを超える長い長方形のウールの重い衣を日常着ていました。タリートには四隅の長い房があります。「ふさ」と言われているのは、ヘブライ語ではツィツィヨットと呼ばれ、当時のユダヤ人男性の上着の四隅にかならずつけた物です。タリートは一般的に下着の上から身に付ける公の標準的服装だったようです。その房の根拠となったのは旧約聖書の民数記15:38-40にあります。
「主はモーセに告げて仰せられた。『イスラエル人に告げて、彼らが代々にわたり、着物のすその四隅に房を作り、その隅の房に青いひもをつけるように言え。その房はあなたがたのためであって、あなたがたがそれを見て、主のすべての命令を思い起こし、それを行うため、みだらなことをしてきた自分の心と目に従って歩まないようにするため、こうしてあなたがたが、わたしのすべての命令を思い起こして、これを行ない、あなたがたの神の聖なるものとなるためである。』」
ユダヤ人の男性は祈りに専心する時、外界から閉ざされて、主の御前にいるために、頭にタリートという祈りのショールをかぶります。この祈りのショールをかぶって祈ることは、神様の臨在におおわれるという意味があり、世の中から聖別されて、神様と自分だけの、祈りの小部屋に入るということと同じ意味があるのです。
イエス様もこのタリートをまとっておられました。出血の止まらない女性が触れたのはこの房です。ということで、聖卓を囲むとき、そこにイエス様のご臨在を感じていただきたい。その願いをこめてのクロスです。さらに聖なる空間になるように。