日本福音ルーテル教会は年に3回の全国常議員会を行います。事務局スタッフとしてこの会議を準備していました。年3回しかありませんから何を議題にするかをいつも考えていました。しかし決定しなければならない緊急議題はたくさんありました。大切な宣教方策を協議するま時間がとれませんでした。こ緊急な議題に追われて重要なことを話すことが出来なかったことが一番の心残りです。
今期の常議員会は少し違うとお聞きしました。会議の前に学習会が必ずあるそうです。「ハラスメント」の学びです。確かに教会のハラスメントは今まであまり関心がもたれてきませんでした。牧師によるセクハラ問題などは各教派で協議されたことはあります。最近ではセクハラだけでなく、パワーハラスメントが問題となっています。いまの教会は牧師によるパワハラだけでなく、信徒による牧師へのパワハラも大きな問題となっているのです。牧師たちの心の問題に目が向けられてきたのでしょう。ルーテル教会の中でハラスメント問題は重要事項になっています。
このハラスメントの問題は慎重にあつかわねばなりません。受けた方がどう考えているかが中心ですから。与えた方は「そんなつもりはなかった」でしょう。しかし受けた方がどうかの問題なのです。教会の在り方に熱心になる余りに牧師の言葉が強くなる。それが信徒の心を傷つける。その逆もあるのです。心の病に倒れていく牧師たちの数がどんどん増えてきました。議論があってもいい。信頼関係がそこにあってもそれがハラスメントになることもありうるのです。
平和の定義は「いかなる暴力もない」と教えられました。ハラスメントも一つの暴力です。私たち社会は平和なのか。自分自身を省みなければなりません。