ルカ 10:1 主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。
「一歩一歩、ていねいに歩いたことがありますか」と聞かれたらどのように答えるでしょうか。一歩一歩をていねいに歩いていけば、必ず目的地につくはずです。「歩歩是道場」ということです。弘法大師の言葉にも「一歩三礼」というものがあります。つまり一歩一歩を参拝する気持ちで歩きなさいということだと思います。私たちはどうでしょうか。一歩一歩を大切にしているでしょうか。実際祈りつつ一歩を歩いてみると、なかなか大変です。一歩進んで祈り、一歩進んで祈る。大変ですがとても心が満ち足りてきます。絶えず祈るということは、一歩一歩をていねいに歩くことかもしれません。いま教会はどこに行こうとしているのか。目的地はどこなのか。それを考えています。宣教する教会となるには、目的が必要です。
イエス様は七十二人を選び、宣教へと派遣されました。その時、「何ももっていくな」「途中でだれにも挨拶するな」と言われています。まず福音を宣べ伝えることが急務であるといわれるのです。一番の目的は「神の国が近づいた」ことを伝えることです。この目的をはっきりさせ、共有し、派遣されたのです。
「会議とは人の仕事をやめて行う仕事である」という定義があります。教会の役員会はどうかを振り返っています。私たちが行っている会議は「会議をおこなうための会議」ではないかと反省しています。「会議とは人の仕事をやめて行う仕事である」という定義をまず考えるべきです。この会議は、人の仕事をやめておこなう必要がある会議か。それにふさわしい人を集めているのか。目的に添った人を集めて、効率よく会議ができているか。これから役員会をしていく中で問うべきことです。理想の会議は「目的が明確である」「必要な人が集まる」「役割が明確化されている」「それぞれが貢献している」ものです。このような会議はみな満足し、収穫があります。会議はこうでなくてはいけません。つまり目的がきちんと共有できているかどうかです。
イエス様は七十二人を任命されました。そして「御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた」とあります。そのときに、目的、人、手段、貢献をはっきり伝えておられます。そして一番大切な「神の国は近づいた」という福音を伝えることを命じられました。これらのことが共有できていた弟子たちはおおきな収穫をもって帰ってきたのです。
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