ルカ 24:15 イエス御自身が近づいて来て、一緒に歩き始められた。
ルーテル支援センター「となりびと」は、仙台市内にある聖公会支援センターに事務所を置かせていただきました。これまでも聖公会とはエキュメニカルな対話を続けてきましたが、この災害が対話を具体化するものとなりました。聖公会とルーテルは協働し、宮城県の支援に携わっていきました。私たちルーテル支援は「となりびと」、聖公会は「いっしょに歩こうプロジェクト」と名前がつけられていました。どちらもその教会支援の特徴を表現しています。この2つのオフィスが一つになったことで、一緒に歩くとなりびとになりました。まさにイエス様の活動そのものだと思います。
ルカによる福音書は、イエス様の復活後の出来事をガリラヤではなくエルサレム周辺の出来事として記しています。エルサレムからその後の伝道は始まったことを描きだしています。2人の弟子がエマオへの道を歩きながら、十字架の出来事や復活のことを論じ合っていました。そこにイエス様が現れたのです。不思議なことに彼らはイエス様がわかりませんでした。ただ共に歩かれる方の存在を知っただけでした。
東日本震災のテーマであった「となりびと」は、その後「寄り添いびと」へと変化していきました。「となり」ではなく「寄り添う」という、一歩踏み出した支援活動へと歩みださねばなりませんでした。しかし、隣り人の本来の務めは「寄り添う」ことによって成り立つことを教えられました。さて熊本震災のテーマ「できたしこ」はどうでしょうか。まだその途中にあって、先が見えていません。一体どこにいきつくのか。共に歩むイエス様からの答えを待っているところです。
イエス様はエマオへの途上で、まず弟子たちに近づいてこられました。となりびとではなく、2人に寄り添われたのです。そして一緒に歩き始められました。この復活後の出来事のなかに、痛み苦しむ弟子たちのためにされたことが凝縮しています。今回の支援もテーマもイエス様の中に見つけることができるようにと祈っています。