1コリント 15:58 主に結ばれているならば自分たちの苦労が決して無駄にならないことを、あなたがたは知っているはずです。
この箇所は「死者の復活」ということについて論じたあとの結論の中にあります。とても難しい箇所で、パウロは、人間を支配してきた罪と死と律法に対して、神様はキリストの死と復活によって勝利を賜ったと述べています。しかし、この問題を理解し伝えるために、パウロの苦労は並大抵のものではなかったようです。ところが「苦労は決して無駄にならない」と励ましています。
ある宗教学者の言葉に「苦労を知らない人は自分のことを先にしたがる」というのがあります。豊かな社会になって、人からしてもらうことが多くなった。あえて「苦労」をすることもない。また苦労することで、人からしていただくことに「感謝」「感動」もなくなったとありました。人から助けられて生かされていることを知らないと、やっぱり自分のことを先にしたがるのです。「自分のことを先に」だと、結局は孤立していくだけです。苦労は買ってでもしなさいと昔は教えられていましたが・・・。
パウロは「主に結ばれているならば」と前置きして、「苦労は決して無駄にならない」といいます。人々の救いをまず考えたパウロの言葉として、それを励ましの言葉として受けとってまいりましょう。