箴言 11:12 心ない者は友人を侮る。英知ある人は沈黙を守る。
箴言は、「ヨブ記」、「コヘレトの言葉」と一緒に、旧約聖書の知恵文学と呼ばれています。聖書で知恵というのは、人がこの世界で賢く生きていくために必要な生活技術や、生活能力を意味します。生活の中での問題や試練に、知恵によって処理し、適切な考えももつことです。その知恵の集積が「箴言」です。この中に「英知ある人は沈黙を守る」という知恵があります。賢い者は、隣人や友だちの欠点を簡単に口にしないという意味です。しかし、その沈黙がもたらす大きな恵みもあると思います。
リーダー研修会に参加したときのことでした。「リーダーの条件について」の講義で、講師は4つの条件を示されました。その1番目が衝撃的でした。それは「リーダーは口を閉ざす」というものです。真のリーダーはしゃべらない、軽々しくものを言わないということです。しかし本当の意味は「人の意見を聞く」ということでした。自分勝手に考え、行動するのでない。また自分のことばかり考えるのでなく、いつも隣人に配慮できるということです。「聞くという奉仕」ができる存在が真のリーダーであると教えられました。
「英知ある人は沈黙を守る」。なぜ沈黙を守るかといえば、実は聞くためです。聞くことを英知とすることは聖書の中ではたくさんでてきます。イエス様も「耳あるものは聞きなさい」と聞くことを薦めておられます。それぞれが、与えられた職務のリーダーとして「聞く」ということを忘れないで過ごしましょう。
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