神様のクレヨン

広島教会朝礼拝230825「目的を明確にして」

   マルコ  4:24　何を聞いているかに注意しなさい。

   イエス様は「たとえ」で多くの話をされました。本日の聖句は「ともし火と秤」のたとえの一部です。「隠れているもので、あらわにならないものはなく」「持っている人は更にあたえられる」など、よく聞かねばわからない言葉ばかりです。ですからイエス様も「聞く耳のある者は聞きなさい」といわれています。そこで大切なのは「何を聞いているか」です。イエス様もそれに注意しなさいと言われました。
   速読術という方法を少し学びました。その方法の一つに「目的を明確にして本を読む」というのがあります。情報過多の時代に、この方法はとても有意義だと思います。その簡単な方法として、次のような実験の紹介がありました。一度目を閉じて「丸いものを探せ」と自分自身に言い聞かせる。再度目を開き、周りを見渡して丸いものを実際に探してみるのです。するとさっと見渡しただけで丸いものを瞬時に何個も見つけることができます。目的を明確にした瞬間、人は必要な情報を見つけ出すことができる。反対に目的を持たずに情報を集めても、本当に必要な情報は得られない。つまり「何を」が大切だということです。
   イエス様は「何を聞いているかに注意しなさい」といっておられます。イエス様から「何を」聞いているのか。イエス様に「何を」求めているのか。これがはっきりしていないと、御言葉が福音として受け取られていかないのです。与えられた仕事も「自分は何をしなければならないか」を明確にして、務めてまいりましょう。

広島教会朝礼拝230824「何をどのように持っている？」

   １テモテ　3:9　清い良心の中に信仰の秘められた真理を持っている人でなければなりません。

   パウロのテモテへの手紙は「牧会書簡」と呼ばれています。エフェソ教会の指導者であった若いテモテに、職務の手引きと偽りの教師に対する警告が書かれてあります。今日の聖句は、奉仕者の資格について教えています。奉仕者の役割は、貧しい人々、病気の人への奉仕でした。その奉仕者を選ぶにあたって大切なことは「まず品位」そして「清い良心の中に信仰の秘めら  れた真理を持っている人」だと言うのです。
   早朝のラジオで「健康」の話が流れます。今週は「心療内科とカバン」というテーマです。どんなつながりがあるのか。まだ２回目ですが、何を持っているか。持っているものをどのように扱っているか。カバンに表される精神状態を解き明かし治療に生かすというものです。心療内科に初診でこられる方はおおむねたくさんのカバンをもってくるそうです。それが少しずつへっていくのだとか。また、カバンのなかが「ぐちゃぐちゃ」というのは、その人の荒れた心の現れだとか。よく若い女性がカバンをひっくり返しているのをみますが、いつも「あ～あ」と思ってしまいます。カバンの中にあるのは、いまの自分自身だそうです。つまり中に何がどのように入っているかです。
    パウロは奉仕者の資格として「信仰の秘められた真理を持っている人」といいました。私たちは神様が共にいてくださる。神様が共にいて働かれるという真理を自分の中にもっているでしょうか。すべての働きの中に信仰の秘められた真理をもっているならば、安心して今日もすごしていけるはずです。

広島教会朝礼拝230823「なくなる不安」

   ルカ　1231　自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ。

   ルカ福音書にある「愚かな金持ち」のたとえです。ある金持ちが豊作のため大きな収穫を得、新しく建てた倉庫にそれを納めます。何年分もの蓄えができたので、自分に対して「これから飲み食いして楽しめと」と言い聞かせます。しかし神様はその日の夜、彼の命を取り上げるのです。イエス様は「どんな貪欲にも注意せよ」と教えておられます。彼の問題は、神様からいただいた恵みを「神様のためにも、人のためにも使わなかった」ということです。神様の恵みは隣人に使うことによって生きるのです。
   大金持ちといわれる人たちのアンケート調査があります。その中に「あなたにとって一番の不安は何ですか」という質問がありました。これに対して同じ答えが返ってきたそうです。それは「お金がなくなること」です。お金をたくさん持っている人はケチだと言われますが、本当はなくなるのが怖いから出さないのかもしれません。このアンケート調査から、これは仕事にも同じことが言えるとありました。なぜ仕事を協力してできないか。それは自分の仕事がなくなるような恐れがあるからです。それが自分の存在がなくなるような不安を生むからです。しかし、仕事もお金もすべては神様からいただく恵みです。自分のものだけにせず、共に働くことによって生かされるものです。
   イエス様は「自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者」と言われました。自分のために富を積むということがどんなことであるか。また神様の前に豊かになる者とはどんなことか。それは、常に全体をみて共に働き、共に生きていくことだと思います。

広島教会朝礼拝230822「知識を行うことへ」

ヨハネ  15:14　わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。

   イエス様は、十字架におかかりになる前に「告別説教」をされています。その中で「わたしの命じることを行うならば」と言われました。イエス様は弟子たちに何を命じられたのか。それは「互いに愛し合う」ことでした。それだけでなく「それを行う」ことです。愛し合うことを「学ぶ」だけでなく、それを「行う」ことを求めておられます。
   「家庭科の授業になぜ調理実習があるか？」という本をよみました。これは授業内容の本ではなく、脳科学の本です。本には「知識だけでは感動は生まれません。知識を身につけた上で、それを使うことで感動は生まれる」と書いてありました。私たちは料理を作る時に、理屈・知識から教えられます。グザイを切って、調味料を何グラム入れてと。これはレシピの勉強です。それだけでは料理に興味を持つ子どもなどいません。それは知識だからです。だから調理実習をして、自分でやってみて、教科書には書いていない自分の好みの味を発見して分量をかえて、つくる楽しさと食べる感動が生まれるのです。つまり、基本的な知識は、より良くするために活用することで生きてくるのです。
   イエス様は「わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である」と言われました。愛し合うことだけを学んだだけでは知識のみとなります。それを行う時に初めて、私たちはイエス様の共に働く友となる事が出来るのです。総会で決められたことを「行う」ことによって、神様の御心を実現させていきたいと思います。

広島教会朝礼拝230821「求める」

   ヨハネ　7:34　あなたたちは、わたしを探しても、見つけることがない

   本日の聖書では、遣わされた下役たちはイエス様の言葉が理解できませんでした。「探しても見つからない」とはどういうことでしょうか。自分の殻に閉じこもってしまうと、真実に出会うことができないのかもしれません。また、求めることがないと見つけることもできません。私たちは、イエス様も探すことにばかりとらわれているかもしれません。イエス様はどこにおられるかとさがすより、本当はイエス様を求めることが必要ではないでしょうか。
    あるとき相談の電話がかかってきました。内容は「ここ数年、わたしの回りには悪いことばかりおこります。わたしの存在がいけないのでしょうか。神様っているのですか」というものでした。なにをやっても悪いことにしかならない。試練ばっかりあって恵みはない。やっぱり、神様などいないと嘆いている電話でした。そのような電話をいただくと、みが引き締まります。その方が真剣に神様を求めておられることがわかるからです。その後、何回も話したり、一緒にお祈りしたりすることで、イエス様と出会うチャンスがあるからです。一人で神様を探すより、一緒に求めていく方が神様の存在を受け取ることになります。
   イエス様は「探しても見つからない」と言われました。自分を中心に探しても見つかることはまれです。自分しか見えてないときに、神様をみつけることは不可能です。しかし、求めることは自分以外に向けられます。イエス様も探すより、共に祈りあい求めたいものです。