Ⅱコリント 2:17 わたしたちは、多くの人々のように神の言葉を売り物にせず、誠実に、また、神に属する者として、神の御前でキリストに結ばれて語っています」
パウロは福音を語る資格について述べています。問題は、誰が福音を語るのに「ふさわしい」か、ということでした。パウロは福音を語る自分の立場をのべています。その要点は、神様の言葉を「売り物にせず」「誠実に」(純粋に)「神に属する者として」「神の御前でキリストに結ばれて」語るということです。福音を宣教して報酬を得る多くの人々との違いをのべています。
では『神の言葉を売り物にせず』とは一体どういうことでしょう。この言葉は、私が神学生だったころからの問いでもあります。あるとき教会学校の生徒に「先生は自分の話しを自分がきいて面白いと思う」と聞かれたことがあります。その時「自分の語る説教で、自分が福音を与えられないとすれば、それはどこか間違っている」と思わされました。牧師としての大切な務めとして、説教職があります。牧師たちは何を語り、どのように福音を語るのだろうか。何のために福音を語るのだろうか。自分の言いたいことだけを、神様の言葉に添わせて語っていないだろうか。神様が語られているかのように自分の意見を語っていないか。そのすべてが「神様の言葉を売り物に」しているのだと、いつも反省ばかりです。
パウロは「神の御前でキリストに結ばれて語る」といいます。つまりパウロが語ることは、キリストも語っておられるということです。そこでは自分が何を言いたいかではなく、キリストは何を語っておられるかを聞くことにあります。