いまごろ、パレスチナのベツレヘム・クリスマス・ルーテル教会で礼拝にでています。これを書いているときは渡航前ですので、いったいどんな旅になっているでしょうか。6回目となる聖地旅行ですが、毎回意味があり、今回も大きな使命をもって日曜礼拝に参加しているとおもいます。
今回の一番の目的は「オリーブのパンの笛」をベツレヘムへ里帰りさせることです。紛争によって倒されたオリーブの木を広島に運び「パンの笛」として復活させました。それを現地に届けるプロジェクトです。パンの笛はパンフルートともいい、息を吹きかけて音を出します。人間は自然の風になるだけで、音を出すのはオリーブの木そのものです。私たちは紛争によって倒されたオリーブが、もし人間の言葉を話すとしたら何を語るのだろうと思ったのです。分離壁に囲まれた世界の中でいきる子どもたちには、このオリーブの笛の語りはどのように聞こえるだろう。広島の子どもたちにはどのように聞こえるだろう。そんな思いをおもってプロジェクトを進めてきました。
パレスチナに戻り、最初にこの礼拝で声をあげます。そこにいる人々には何が聞こえてくるのでしょうか。そのことを率直にきいてきたいと思います。その思いを広島に帰って伝えることをしたいと願っています。私たちの身勝手な思いかもしれません。しかし、そこで響くオリーブのパンの笛が語る言葉に、すこしでも耳を傾けることができればと思います。