朝礼100505「見えているもの」

マルコ　8:23　何か見えるか

 

私たちは何が見えているのでしょうか。自分の生活でしょうか。それとも、人の罪が見えているでしょうか。傷つき倒れている人々が見えるでしょうか。

イエス様は、一人の目の不自由な人に手を置いて「何が見えるか」といわれました。彼は「人が見えます。木のようですが、歩いているのが分かります」と答えました。この答えの中に、私たちは何を見るのでしょうか。「人は木ではない。歩いている」というメッセ－ジのなかに暖かいものを感じます。

ある教会の方からこんな話をお聞きしました。あるとき道を歩いていると急にお腹が痛くなったそうです。トイレを探していたのですが、みつからず「そうだ教会を探そう」と思いました。すぐに近くに教会を見つけ、トイレを借りようとしたところ教会の玄関に「トイレのご使用はご遠慮ください」と書いてあったそうです。「教会って外に開かれているようで閉ざされているんですね」と。たぶん教会にもいろいろな事情があってのことでしょう。しかし、なぜトイレが解放できないかを教会が問うてみる必要はあると思いました。結局「何を見ているか」の問題だと思うのです。

 イエス様が目の不自由な人にもう一度触れられると、さらにはっきり見えるようになりました。私達はいつもおぼろげながら人を見ているのかもしれません。それはあたかも木のように見ているかもしれないのです。イエス様の与えてくださる信仰という力によって、人を人と見ることができるようになるのです。その人の痛み苦しみもみえてくるのだと思います。