フィレモン 1:7 わたしはあなたの愛から大きな喜びと慰めを得ました。
フィレモンへの手紙は、聖書にあるパウロの手紙の中でも個人にあてられた唯一の手紙です。内容的にも問題を起こした奴隷をどう取り扱うかというもので、きわめて個人的な手紙です。しかし、この個人的な出来事を、キリスト者が信仰共同体としてどのように受け止めていくかを語っています。その中心は「愛と信仰」です。
東北関東大震災救援本部から先遣隊として送られ、昨夜宮城県仙台市から帰ってきました。今回の震災被災地は広範囲に及び、被災の種類も多種あり、何から手をつけてよいかという感じです。最初に人命救助から始まりました。いまも不明者の捜索は続いています。今後は生活支援、心のケアへと支援は移っていくと言われていますが、今回の複雑な被災では、すべてを同時並行で救援していくという厳しい現状です。ただ、被災された方々を訪問してお話をきくたびに「私たちはまだいいほうです。もっと被害で苦しんでおられる方がいるからそちらへ」と言われます。避難所生活の中でも同じです。苦しんでおられる方が、より苦しんでいる方々を思いやっておられる。共に立ち直っていこうとされている。そんな感じを受けました。被災者の方々の言葉によって私たちは力づけられてきました。しかし、そのようにおっしゃっている方々の疲れや絶望も同時に感じ取りました。私たちの救援活動が、どこに、誰に、何を、をきっちりと決めて行かねばなりません。
パウロはフィレモンに「わたしはあなたの愛から大きな喜びと慰めを得ました」と言っています。苦しむ悩む人々からの愛から、大きな喜びと慰めを受けます。神様の愛は、受ける側にも、与える側にも両方に喜びと慰めを与えるものだと思います。
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