マルコ 5:41 子供の手を取って、「タリタ、クム」と言われた。これは「少女よ、わたしはあなたに言う。起きなさい」という意味である。
イエス様は会堂長ヤイロの娘を生き返らせます。最終的にはヤイロの娘は生き返りますが、死にかけている娘のところに行く途中に12年の病を担った女性を癒しておられます。その時間の中でヤイロの娘は死んでいますのです。父親であるヤイロはどんな悲しんだことでしょうか。しかし、イエス様は「恐れるな、ただ信じなさい」と言われました。その御言葉に従うことができるか。御言葉を信じたものには新しい力が与えられるのです。
被災者であるお母さんが教えてくださいました。3月11日は小学校3年生のお子さんが熱を出して石巻市民病院で診察を受けていたそうです。一緒にいたのは幼稚園に通っている妹でした。地震のあとすぐに「津波がくるから逃げろ」との声で2人のお子さんをつれて病院の屋上にあがりました。しかし、看護婦さんが白衣のままで外に出て、山の方に上がるようにとの声をきいたそうです。お母さんは3年生の娘をおんぶし、下の子を抱っこして走って山を登りました。しかし途中で体力の限界がきたそうです。もうここでいいと振り返ったとき、黒い波が家をバキバキと壊しながら近づいてきました。すると、自分は死んでも子どもは助けると思った瞬間に力が湧いて来て、山の頂上までいくことができたそうです。自分一人だったら死んでいたと思いますとのことでした。病院は津波にすべて飲み込まれ、火事で全焼していたそうです。
イエス様は「起きなさい」と言われました。自分一人なら起き上がれなくても、愛する子どもの命のためには起き上がりさらに山に登ることができたお母さんを思います。人間には内に生きている神様の力があると思います。愛する他者のために生きるとき、そこにはキリストの力(御言葉)が生きています。キリストが力(御言葉)を与えて下さっている。もうだめだから、さらに一歩踏み出す力を与えて下さるのは、神様の御言葉です。その御言葉に支えられて、今日も「となりびと」として仕えてまいります。
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