9月16日をもって、東日本大震災救援活動派遣牧師の任が終了しました。がむしゃらに動き回った4月から、復興を見据えての6月からの活動。半年にわたる宮城県と東京の往復。土日は各地に被災地活動報告と講演会(こども説教など)。よく体力・気力がもったと思います。いま振りかえると、被災者の方々との出会いが支えになったように思います。
最終日に避難所の館長さんへ挨拶にいきました。話の中で、昨日あった孤独死、殺人事件の話題になりました。被災地はまさに「まったなし」の状況に置かれている。仮設支援は「まったなし」の心のケアが必要と力説されました。まさにそうだと思います。そんな時に派遣終了となりました。後任もまだ決まらずに、挨拶しなければならないことに言葉もでませんでした。この「まったなし」を本部会議に伝えることが私の役目かもしれません。ルーテル教会の働きはこれからだと言えます。全国の組織、仲間が協力して活動していくことが「まったなし」に応えることです。
館長さんが最後に言われました。「被災者に避難所はよかった~なんて言わせたらいけない」と。仮設に移られて自立の一歩を進みだされた被災者の方々に「これじゃ避難所にいたほうがよかった」と言わせてはいけないと言われるのです。そのためには仮設支援も「まったなし」です。現場にいて思うことは、救援活動はいつでも「まったなし」の状況の中で「誰が何をするか」だと思います。
最後に訪問した仮設住宅のおばあちゃんが言われました。「何十年も家族で積み上げてきたものが一瞬でなにもかもなくなったんだよ~」と。「なにもかもだよ~」と。「でも、この震災にあわなかったら、あなたたちとも出会えなかったよ。ありがとうね」と。ボランティアに本当に感謝しておられました。このような出会いがあったからこそ、がむしゃらな半年が生かされてきたのでしょう。向かい入れてくださったすべての被災者の方々に感謝します。