クリスマスおめでとうございます。今年のクリスマスは被災地のことを考える時となりました。12月に入って被災地でもクリスマスをお祝いしてきました。仮設ではクリスマスコンサートをはじめ、多くのクリスマス会が行われてきました。サンタクロースも毎回登場し、なんとか人々の心を励まそうとしておられたのがよくわかりました。
そんな中でじっくりと聖書を読む機会を与えられました。雪が降り、寒さが厳しくなる季節。仮設では孤独な一人暮らしのお年寄りもおられます。子どもを天国に送った方々、お孫さんが突然天にめされいまだに悲しみの中におられる方々。そのような人々にクリスマスのメッセージは何を語るのだろうと思います。神様の御子イエスさまのお誕生をお祝いする意味は何かと思いながら過ごしていました。
すると、よく読んでいくうちに、クリスマスの出来事はいまこの被災地の出来事と同じではないかと思ったのです。突然の出来事に戸惑う人間がいる。家を離れ移動させられる。居場所がなく戸惑う夫婦がいる。新しい命の誕生を迎えるにはあまりにも厳しい現実がそこにはあるのです。そのことがいま被災地に重なって見えてきたのです。
けれど、人々はそこで生きています。マリアとヨセフはこの小さな命を守りとおしています。どんな環境にも負けない忍耐をもち、新しい未来を創造するために必死にいきておられるのです。天には栄光、地には平和と告げた天使たちの歌声はいまここでも聞こえてきます。人と人との絆を通して聞こえてくる讃美は、クリスマスの天使の讃美と同じにきこえてくるのです。