ローマ 14:18 このようにしてキリストに仕える人は、神に喜ばれ、人々に信頼されます。
今年も新卒の牧師が5名誕生します。セカンドキャリアの人もいますが、牧師職としては初めての旅立ちを迎えます。たぶん今頃は人事発表を前に緊張していることでしょう。ただ、新卒が送られていく教会には、牧師以上に信仰生活を送っておられる方が多いものです。そのことをまず新卒牧師は心にとめることが大切です。それを忘れると「牧師」が「先生」となり、つまずきの原因になってしまうことが多いようです。何事も謙虚に、悔改めをもって赴任することを忘れないでいてほしいものです。
パウロは、「もう裁き合わないようにしよう」と述べています。教会の中にギクシャクとした問題があったのでしょう。とくに食べ物のことで、食べる人、食べない人が裁き合っていたようです。パウロは彼らを諭して「神の国は、飲み食いではなく、聖霊によって与えられる義と平和と喜び」と言います。この「義、平和、喜び」というキリストの出来事が起こる時、人は神に喜ばれ、人々に信頼されるというのです。人々に信頼されるということで何が大切か、何を中心にしなければならないかを教えられます。この信頼ということがないので、教会の中でギクシャクしていたのかもしれません。
聖書研究会で信徒さんに質問された時、それがわからない場合にどのように返事をするか?ある引退牧師は「次の会までに勉強して答えますと言いなさいと」教えてくださいました。いまになって思うと、これができるかできないが重要なポイントなのです。質問に答えられない時、人には2通りの道があります。1つ目は「答えを誤魔化し」「嘘を答える」。これは質問者の信頼を低下させます。2つ目は「素直にわからないと答える勇気」「次までに答えるとい約束をする」。これは質問者の信頼を向上させます。つまり、質問者に対して「今は答えを持ち合わせていません」と言える勇気と、「後日調べて回答します」という約束が大切なのです。これは自分と質問者との関係を、信頼という中で考える重要なポイントです。ただ、これができないのは「プライド」というものがあるからです。
教会内でも組織でも、互いに裁き合うのは残念なことです。信頼関係があるかどうかは、その組織の根本にかかわることでもあります。パウロは「キリストに仕える人は、神に喜ばれ、人々に信頼されます」と教えています。つまずきとなるもの、妨げとなるものは何かを考え、それを誤魔化さないことが大切です。お互いが認め合い、できる約束をし、素直になるときに組織の平和は実現するように思えます。それが仕えるということです。
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