今週は宮城県にいました。震災活動の継続としての訪問と卒業アルバム復興の支援金をお渡ししてきました。また、今回の訪問は3月に行われる九州教区「祈りと巡礼の旅」の準備もありました。13か所を選んで、そこで祈りをとおして巡礼しようという被災地救援企画です。それがどんな支援になるのか。被災地にまず身を置くことが支援だと思います。「忘れないで」という被災者の声に応えることです。そこに身を置いたときに感じること、そして自分で考えて次に何をするかだと思います。
今回の「祈りと巡礼の旅」の起点は、名取市にある閖上(ゆりあげ)にしました。仙台空港の近くですので、その時の状況は皆さんも少しお分かりになるでしょうか。高い建物は学校くらいしかありません。そこにある住宅のほとんどが津波で破壊されました。閖上小学校、中学校がおおきな被災に会い、中学校では14名の生徒たちが流されて亡くなりました。
閖上中学校には慰霊碑があり、その横に生徒たちが使用していた机が置いてあります。そこに同級生のメッセージが書いてありました。「あの日、大勢の人たちが津波から逃れる為、この閖中を目指して走りました。街の復興はとても大切な事です。でも、沢山の人たちの命が今もここにある事を忘れないでほしい。死んだら終わりですか、生き残った私たちにできることを考えます」。また亡くなった同級生の名前を書いてありました。一生の友達がそこにいるのです。友達の死をとおして、命について、生かされた意味を自分たちに問うておられるのでしょう。
東日本大震災はまだ終わっていません。ボランティア団体が帰ってしまってからが復興の始まりです。「死んだら終わりですか」。そうではないとイエス様は教えてくださいました。私たちの支援活動も、そこにイエス様が寄り添っておられるから、終わりではありません。自分たちにできることを、イエス様のみ言葉から考えています。