ルカ 1:3 敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。
話しが長い人の特徴は「結論」が何かわからないことです。そして、状況説明がまわりくどいといことです。この2つが重なったとき、とても感動的な話をしていても、その内容が伝わらないことになります。また、結論が先にわかっている話もあります。むしろこっちの方が安心して話がきけるかもしれません。一番イライラする話は「はやく結論を教えて」という話かもしれません。
ルカによる福音書は、テオフィロへ献呈されています。この人物の詳しいことはわかりませんが、教会に関わりをもつ有力者だったのでしょう。マルコによる福音書を手本にしたルカは、イエス様の出来事を最初から調べて順序正しく書くほうが読む人にとって分かりやすく、伝わりやすいと考えていました。一つの物語として読むほうが伝わりやすいという判断かもしれません。しかし、そこには「教える」ではなく「伝える」ということが根本にあるのです。
「あなたの話はなぜ『通じない』のか」という本を読んでいます。その中に「相手が一番知りたい情報は何か」を考えているかと問われていました。例えば、銀行や切符売り場なので「この窓口は只今使えません」とふさがっていることがあります。これでは「じゃあどうすればいいの」と思います。この時「この窓口は只今使えません。申し訳ありませんが2番、3番窓口をお使いください」と書いてあれば親切だというのです。しかし、よく読むと前半はいらないのです。「どうぞ、2番、3番窓口をお使いください」と書いてあるほうが、これを見た人はすぐに次の行動に移れます。これが相手を考えて、一番知りたい情報を伝えることだと書いてありました。相手は何を知りたいのか、自分は何を一番伝えたいのか。言葉を発する前に考えてみることが必要です。結論から言ってあげることも、じつは一番の伝え方なのです。
ルカは、イエス様のことを伝えるのに、「順序正しく書いて」と言っています。テオフィロのもとにはイエス様に関するたくさんの情報が集まっていたのでしょう。それを順序正しく書くことが、イエス様の出来事が一番伝わりやすいことを知っていたのです。また一番知りたいことも伝わると。ルカによる福音書は「旅するイエス」と言われるように、時間空間場所がしっかり順序正しく書いてあります。また新約聖書を読まれてない方はルカから読むことお勧めします。
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