マタイ 12:13 そしてその人に、「手を伸ばしなさい」と言われた。伸ばすと、もう一方の手のように元どおり良くなった。
「一歩踏み出したい。でもできない」。この言葉は東日本大震災の被災者の方から聞いた言葉でした。痛み苦しみから解放されるために一歩を踏み出して、その苦しみから出たいと言われていました。しかしその一歩がとても大きく、勇気がいる事だったのです。自立といいますが、自立するためにはとてつもない大きな力が必要なのだと思いました。
イエス様は、会堂に入って手の萎えた人を癒されました。その日は「安息日」でしたので、ファリサイ派から攻撃され、これ以後命を狙われることになりました。ファリサイ派の律法解釈では、生命に危険がない限り安息日における治癒行為は認められておらず、律法違反とみなさるからです。しかし、イエス様は「安息日に善いことをするのは許されている」と反論され、「手を伸ばしなさい」と言われました。このみ言葉に従って手を伸ばすことで手の萎えた人は癒されたのです。
リハビリ専門病院に行ったことがあります。そのときの看護士さんの一言が印象的でした。「私たちの仕事は、初めの一歩を援助することです」という言葉です。一度ベッドに寝込んでしまうと、立ち上がることが不安になる。そこから歩きだすことは恐怖だというのです。しかし、はじめの一歩を出さなければ回復できない。大切なことは「一歩を踏み出す」ということだと教えてくれたのです。人にはそれぞれに目標があります。しかし、一歩踏み出さなければ結局そこにいるだけになり、目標は達成できないのです。
イエス様は「手を伸ばしなさい」と言われました。彼は言われた通り手を伸ばしました。いままで動かなかったから無理とは思わず、素直にイエス様の言葉に従ったのです。そして「一歩を踏み出す」ことができました。私たちも、イエス様のみ言葉を信じることによって、各自の目標にむかって歩み出すことができます。
<音声朝礼拝は「神様の色鉛筆」でどうぞ!>