ヤコブ 5:13 あなたがたの中で苦しんでいる人は、祈りなさい。喜んでいる人は、賛美の歌をうたいなさい。
歌は不思議な力を持っています。人をひとつにしたり、そのなかにメッセージを含むもの、気持ちを軽やかにするもの、力づけるもの、そして心の支えになるものがあります。あるとき教会学校で夏にお化け屋敷にいったことがあります。大人の私が怖いと思うほどの屋敷でした。あちこちで子供が泣き、それはもうパニックになりかけたころ「主われをあいす~」と一人の子供が歌いだしたのです。いつのまにかそれが大合唱になり、なんとかそこをくぐりぬける事ができました。その出来事を通して、讃美歌がいかに人の心に勇気をあたえ、しかも支えになりうるかと驚きました。
ヤコブの手紙の結びは「忍耐と祈り」がテーマになっています。忍耐して神様への忠誠を守った者に、どのような幸いがあるかを教えています。ヨブの名前もでてきます。そのなかで「祈り」と「賛美の歌」を薦めています。祈りは個人的なものも含みますが、ここでは教会での交わりが想定されています。交わりの中で、共に祈り、共に賛美の歌をうたうことが私たちを支え導くのです。
東日本大震災救援活動をしていた時、派遣牧師の伊藤文雄牧師から、2つの企画相談をうけました。1つは「カラオケセット大会ができないか」。もう1つは「映画会ができないか」というものです。伊藤先生とスタッフが中心となって仮設支援を行っていた「お茶っこ会」という集いのためです。運動をしたり、テーマを決めて話し合ったり。その中で童謡や唱歌、そして歌謡曲を一緒に歌うことで心が安らぐといわれます。映画会は男性被災者の方々に来ていただくためのプログラムだそうです。伊藤先生は「男はつらいよ」をシリーズで観てはどうかと考えておられるようです。男性参加者も参加できる「お茶っこ会」にしたかったのです。
ヤコブは「あなたがたの中で苦しんでいる人は、祈りなさい。喜んでいる人は、賛美の歌をうたいなさい」と教えています。祈りと歌とは、人が生きて行くうえで大切な要素です。しかし、どちらも神様に向かっているできごとです。共に祈り、共に歌うことで、神様と共にある平安をいただくのです。祈りと歌を自分たちの交わりの中でなくさないようにしていきましょう。
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