マタイ 14:28 ペトロが答えた。「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」
こんな話を聞きました。幼稚園の遠足でお弁当を持っていく我が子のために、お母さんは早起きをしてお弁当を作りました。栄養のバランスを考え、彩りよく、おいしくと最大の心配りと愛情を詰め込んで持たせたのです。遠足から元気よく帰ってきた子供に、「何が一番おいしかった?」と自信満々で聞いたところ、返ってきた答えは、「リンゴと柿」だった。神様が造られた自然に負けたと笑っておられました。自信満々に聞いたというところに興味をもちました。かなり自信があったのでしょう。人が持つ自信とは何かなと思います。
イエス様には、ガリラヤ湖で水の上を歩くという奇跡があります。弟子たちの乗った船は湖の上で、波と逆風に悩まされていました。弟子たちは船の中にイエス様がいてくださったらと思っていました。悩み苦しむ弟子たちの船に、水の上を歩いてイエス様が近づいてこられたのです。それをみたペトロは自分も水の上を歩けるとおもったのでしょうか。「水の上を歩いてそちらに行かせてください」とお願いしています。どうしてそのような言葉が言えたのか不思議です。
茂木さんの著書に「根拠なき自信」ということが書いてありました。そもそも自信というものは、何らかの成功体験から生まれると言われています。自信を持つには何らかの裏付けが必要だといわれています。しかし、何の成功体験もないままに、最初に自信をもっておくというのも大切なことだというのです。これを「根拠なき自信」というそうです。その自信はどこからくるのかと聞かれても、そんな根拠はどうでもよく、とにかく自分は自信があると考える。すると面白いことに、自信を持っている脳の状態になるというのです。つまり積極的な脳をつくりあげることが、不確実な時代には必要だというのです。
ペトロは水の上を歩いてイエス様のもとにいきました。歩けるという自信があったわけではありません。イエス様の命令なら水の上を歩くことができると信じたのです。これも根拠なき自信です。しかし、途中でおぼれそうになってしまいます。最後まで信じて歩くことができなかったからです。根拠なき自信でもイエス様によって信じさせてくださる信仰を疑ってはならないのです。
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