韓国大邱YMCAでの講演のため渡航中です。昨年に引き続き「青少年育成プロジェクト」がテーマです。何を話そうかと思い準備をしていますが、やっぱり自分が話すことができるものと言えば、被災地の出来事だと思います。
そこで「被災地で青少年はどう変えられていったか」というテーマで話すことにしました。あの時、被災地には多くの青少年がボランティアにやってきました。大学生もいれば、高校生もいました。放射線の問題があるからと初めは高校生はこなかったのですが、半年くらいたったころにはたくさんやってきてくれました。その中には、不登校で悩んでいる学生が親につれられてきたり、家庭内暴力で苦しみを負っている子もいました。自分の人生で痛みを背負っている子どもたちも多く被災地にやってきたのです。その彼らが変えられていく姿を見てきました。
被災地でボランティアを通して、人と出会います。言葉に表せない苦しみを負った方々と出会います。はじめは何も話さず、なにもせずに立っているだけでした。しかし、被災者の方が受け入れてくださり、自分の痛み苦しみを話し出したとき自分が抱えている痛みを共にになうという経験をしていくのです。被災者のおばちゃんたちに、あるときは怒鳴られ、ある時は一緒に泣き、ある時は抱きしめられ、その経験が彼らを変えていったのです。
どうしようもできない痛みがある。逃げられない悲しみがある。けれども、自分だけが苦しいのではない。そのことに気がつくのかもしれません。必ず寄り添ってくれる人がいる。祈ってくれる人がいる。そこに彼らは不思議な力と導きを感じていました。イエス様の存在とはそのようなものだと私は思っていたのです。