ヨハネ黙示録 1:8 わたしはアルファであり、オメガである。
東日本大震災で被災者の方が津波の全貌を知ったのはかなり時間がたってからだそうです。携帯電話のワンセグでテレビが見えたもののすぐに通信不能になったそうです。目の前の風景で大変なことになったと思ったが、石巻市街だけのことだと思ったそうです。しかしラジオからの情報で、津波が到達した地点を聞き、これはただごとではないと感じた。あそこまで来たということは、家族はだめかもしれないと。目の前の状況とラジオの情報、そしてなにもわからない3日間。その後わかったことに言葉を失くしたと話してくださいました。個を知ること、全体を知ること。それがつながるとき大震災被害をどのように受け取っていいのか、いまもまだわからないといわれました。
ヨハネの黙示録では、神様が自分は何者であるかを神様自身が自己宣伝をする形をとっています。神様がこの歴史の支配者であり、すべてを知っておられる方であると宣言しています。「アルファ」であり「オメガ」であるとは、ギリシャ語のアルファベットの初めと最後の文字のことです。つまり永遠という意味です。すべてを知っておられる方が神様だというのです。
熊本地震を振り返っています。ところが、その時のことを思い出そうとしても思い出せないという言葉を聞きます。なぜか思い出せないと。そういえば自分もそうかもしれません。なぜ思い出せないのか。2回もあった地震なのに。きっと思い出したくないという心の現れのようにも思います。しかし思い出せなくても、いま何があったかを知るのが支援活動の一歩かもしれません。被災者が支援活動する時の難しさはそこにあるかもしれないのです。それでも、あったことは確かなのです。
人間にはわからないことはたくさんあります。私に起こっていることの全貌も見えていないものです。しかし、神様はすべてを知っておられる。全体をみて個をみておられる。そのような存在である神様が共に寄り添っておられる奇跡を思います。
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