ヤコブ 1:5 あなたがたの中で知恵の欠けている人がいれば、だれにでも惜しみなくとがめだてしないでお与えになる神に願いなさい。そうすれば、与えられます。
ある講演で「道に迷ったらどうするか」というものがありました。大勢で行動しているときは「迷ったところから動かない」ことが正解。一人の時は、家に帰って地図で確かめてもう一度歩き出す。つまり元にもどってということでしょう。それでは「人生の道に迷ったらどうするか」と聞かれました。この2つを合わせなさいと言われました。その場にとどまり、聖書を読み、神様から御言葉の知恵をいただいて歩き出すと。私たちの人生の基本は神様のみ言葉にあります。そこに戻ることによって、人生の知恵をいただくのです。何度でもそこに戻ることができます。
ヤコブは「試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい」と教えています。なかなかそのように受け取ることは困難です。ヤコブは「試練」を「忍耐」と結び付けて考えています。これはただ単に耐え忍ぶということではなく、神様に服従することを教えているのです。ヤコブも「あくまでも、忍耐しなさい。そうすれば、完全で申し分なく、何一つ欠けたとろこのない人になります」と言っています。しかも、完全になるためには「知恵」が必要というのです。これはユダヤの伝統にしたがって、知恵は神様から与えられるもの。その知恵を神様から頂いて試練を喜びとせよと言っています。神様の知恵を願えと勧めているのです。
有名企業の社長に何か知恵をいただきたいと申し出ました。彼には潰れそうになった会社を有名企業に変革した実績があったからです。またその方の所属している教会の成長は著しいものでした。彼は一人の名前と、一冊の本を紹介してくださいました。それは「P.F.ドラッカー」と「非営利組織の経営」でした。もう10年まえのことです。その本を読みながら大切なことは「マネジメント」、その中で「マーケティング」と「イノベーション」だと考えました。この2つを教会でどのように展開するかをずっと考えていました。そのときこれからの教会の目的は「求道者の創造」だと思いました。信徒を創造するのではなく、もっと広く人の苦悩に寄り添いニーズを知り、教会を通してキリストのみ言葉を提供する(マーケティング)。新しい見方、考え方で教会の資源を活用してより大きな価値を生む(イノベーション)。その中心にあるのは教会のミッションです。
ヤコブは「あなたがたの中で知恵の欠けている人がいれば、だれにでも惜しみなくとがめだてしないでお与えになる神に願いなさい。そうすれば、与えられます」と教えています。神様は惜しみなく知恵を与えてくださいます。それを祈り求め、試練を忍耐として受け取ることで、キリスト者としてのあゆみが確かなものとなるのです。
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