私たちの交わりの中から、4月24日(水)午後4時、みなし仮設に住む1人の兄が天に召されました。兄は九州学院教員の二男として、1932年に誕生されました。九州学院の中で人生を送られました。
熊本地震で自宅は全壊でした。一度ある避難所に身を寄せられましたが、その環境が合わずに教会へ相談の電話がありました。「もう3日も食事を食べてない。この環境では落ち着かないのです」と。また眠れずに困っていますとも。実はその時健軍教会は自主避難所となっていました。もしできるならば大江教会の信徒でもあるし、健軍教会の避難所を紹介することにしました。牧師に連絡、大江教会信徒の方がお世話下さり避難所を移られました。
健軍教会の避難所では暖かく迎えて下さり、初めは寡黙であった兄がみるみる笑顔を取り戻されたそうです。久しぶりの家族を味わったと言われたそうです。地震という大変な出来事の中で神様は最善の導きをして下さいました。兄弟姉妹、家族として教会で過ごすことができました。人生のなかで、つらいこと悲しいことはあるけれども神様はきちんと導いて下さるのだと実感しました。そしてルーテル教会のつながりがあって本当に良かったと。
渡辺和子シスターの本の中に次のような言葉があります。「世の中のすべての人から見放されたように思う時も、決して自分で自分を見捨てることがない人でいてください」。この言葉を葬儀説教で引用させていただきました。神様は必ず導いてくださる。神様はその人に最善の道を用意して下さる。だからこそそれを受け入れることによって救いへと導かれるのです。兄はすでに復活して、ご両親、兄弟姉妹と共に神様のみもとにおられます。そこには兄の笑顔があります。