ルカ 12:29 あなたがたも、何を食べようか、何を飲もうかと考えてはならない。また、思い悩むな。
食事をしながら、今晩の夕食に何を食べようかと話しているカップルをみかけました。人間というものは、たったいま食べていても、夜のことを思い悩むものだと微笑ましく思いました。本来はいま食べているものに集中して、神様の恵みを味わうべきだろうと思います。しかし、それよりも夕食のことをと考える私たちの愚かさに気が付かされてしまいました。
本日の聖書をみてみましょう。簡単に言えば、神様が造られた世界に、神様が造られた私たちがいる。すべてのことは神様が導いてくださるのです。だからこそ、よけいなことで「思い悩むな」と言われています。イエス様は「空の鳥」「野の花」のたとえを語られました。単に鳥をみてみなさい、花をみてみなさいと言われたようですが、ここに示されたのは神様の創造でした。空の鳥は天にいる。野の花は地で咲く。つまり、天と地のものすべてをみなさいといわれたのです。すべては、神様の創造の中にある。もっといえば私たちは神様の創造の中でしか生きることができない。神様に従うしかないのです。
アグネス・チャンという歌手がいます。彼女がある対談で次ぎのように話していました。「私は童謡を歌うのが好きです。中国の童謡と日本の童謡の違いは、中国の歌は親をうたったものが多く、日本の歌は自然をうたったものが多いということです。私は日本の童謡の中で、チューリップが大好きです。『咲いた、咲いた、チューリップの花が・・・赤、白、黄色、どの花みてもきれいだな』。これはすばらしいと思います。もしチューリップが赤ばっかりだったら面白くありません。赤と白だけでもつまらない。黄色があるから楽しいのです」。彼女はこのことから人種差別について語っていました。たしかにこの世界にはいろいろなものがあります。だからこそ楽しいのです。これを聞いていた牧師さんが「アグネスはもうひとつ抜かしている。神様が赤、白、黄色を造られたということを」と語っていました。
私たちを創造された神様が、私たちのことを私たち以上にしっておられる。だからこそ、助けもあるし、試練もあるし、笑いもあり涙もあるのです。しかし、そのことを通して語られるのは、すべては神様がしておられることだということです。私たちはちょっとしたことが起こっても、思い悩みます。しかし、悩んだからとてそれが解決されるとは思っていません。そうであれば無駄な悩みはさけて、その悩みを神様に捧げてよいのです。神様は喜んでその思い悩みを受け取ってくださるのです。
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