二ペトロ 3:18 わたしたちの主、救いイエスさま・キリストの恵みと知識において、成長しなさい。
事務局長時代のひとつの課題は、会議全体を整えることをでした。資料の作成、事前配布、審議方法の簡略化、フォーマット作成、速報を流す体制つくりなど。また席を指定し、名札をおいて同席・陪席の色分けを行いました。整えられた会議はとても気持ちがいいものでした。ある日のことでした。35年も働いておられる掃除のおばちゃんが出席者の名札をみて一言。「あれこの子、偉くなったのね」と。学生の頃から知っている名前がそこにあったのでしょう。「ちゃんと成長したのね」と喜んでおられました。その成長がイエス様においてであればいいのですが。
聖書にはペトロの名前をしるした2通の手紙があります。この2つ目の手紙は、著者とは異なるキリスト教理解を主張する「偽教師」を退け、その主張に惑わされないように警告しています。本日の箇所は、この手紙の最後の結びの言葉です。私達はイエス・キリストの恵みと知識において成長しなければならないことをのべています。
中国の昔話です。「ある人が種をまいてから、毎日毎日その畑を見回っていました。ところが、となりの畑の方が芽の伸びがよい。うちの方が悪すぎるということに気づきました。そこである夜、自分の畑にでかけていき、一本一本手で引っ張って伸ばしました。翌日あれからどれだけ伸びているか期待してみにいきますと、全部の芽がお辞儀をしていました」。笑い話ですが、よく考えると笑えない話です。神様はその人にあった成長を一番よく知っておられます。ところが私たちは無理に伸ばそうとして駄目にしてはいないでしょうか。
ペトロは「イエス・キリストの恵みと知識において、成長しなさい」と教えました。自分勝手に振る舞うのでなく、キリストの恵みと知識において成長することを求めています。私達を成長させて下さる恵み、与えられる知識はすべて神様のもの。み言葉に謙虚になることが成長のカギだと思います。
<音声礼拝説教は「神様の色鉛筆」でどうぞ!>