マルコ 6:31 イエスは「さあ、あなたがただけで人里離れた所へいって、しばらく休むがよい」といわれた。
イエス様が弟子たちを派遣されたとき「杖一本の他に何ももっていくな」と言われています。これを聞いた弟子たちは一生懸命に宣教したことでしょう。宣教する以上は「きちんと」「熱心に」「他人に配慮しながら」「しっかりと」「しかも迅速に」が求められていたことでしょう。が・・・これが「燃え尽き症候群」に陥るもとだと言われています。そこで、イエス様は頑張るだけでなく、休むことを教えられました。熱心にやることだけが求められているのではなく、しばらく休んで自分を振り返ることも求められるのです。
東日本大震災救援でボランティア派遣をしていたときのことです。毎朝ボランティアセンターに集まってくる何百人の人たちをチームに分け、働きを与える仕事をしていました。これをマッチングといっていました。見ず知らずの人をグループにして、その人たちができる仕事を割り振る。たいて8人~10人がチームになりました。この時一番大切なことは「誰をリーダーとするか」でした。私たちはすでにボランティアを経験した人、その中でもきちんと全体を見渡せて「休ませることができる」人をリーダーにお願いしたのです。真夏の重労働、津波被害という精神的な重さ、被災者の声を聴くなどを配慮して、きちんと1時間ごとに休みを指示できることはリーダーに一番求められていることです。真面目なボランティアほど「完全であれ」「努力せよ」「他人を喜ばせよ」「強くあれ」「急げ」という思いを持っています。これでは「燃え尽き症候群」になります。だからこそ休むことは必要なことなのです。
イエス様も弟子たちの一生懸命にたいして「しばらく休みなさい」といわれました。「休んでいいのだよ」というメッセージをくださるのです。心の休みを持ちつつ与えられた仕事をしましょう。燃え尽きないように。あなたが燃え尽きると、隣の人にその火は移りますから。
<音声礼拝説教は「神様の色鉛筆」でどうぞ>