ルカ 5:28 彼は何もかも捨てて立ち上がり、イエスに従った。
徴税人レビの召命箇所です。イエス様が、ローマへの税金を同朋からあつめていたレビを弟子に召されました。徴税人はローマ帝国の手下と思われ、同朋を苦しめるものとしてユダヤ人から嫌われていました。しかし徴税人レビは、イエス様の「わたしに従いなさい」という一言で、何もかも「捨てて」従ったのです。彼の人生にとって、すべてを捨てても得るものがあったのでしょう。
山頭火という俳人の句に「秋風の石を拾う」というのがあります。山頭火は、財産を捨て、家をすて、故郷を捨て、家族を捨てて放浪の旅をしながら悟りの境地に近づいていく俳人でした。しかし、捨てても、捨てても煩悩はすてきれずに苦しんでいたようです。そんな中でふと「石を拾う」ということに何かを見出したのです。この石というのはただの石ころのことです。人間は捨ててばかりでは生きていけない、拾うということでバランスをとっているのではないかなと思います。大切なことは「何を拾うか」です。
徴税人レビは、すべてを捨ててイエス様に従いました。しかし同時に信仰を拾った(与えられた)のです。一番確かなものを与えられたことになります。今週もまた、一番大切なものは何かをかんがえながら過ごしていきたいと思います。