1コリント 14:10 世にはいろいろな種類の言葉があり、どれ一つ意味を持たないものはありません。
パウロは、13章で愛について語ったあと、異言と預言について教えています。その冒頭で「愛を追い求めなさい」と勧めます。当時の教会では「異言」というものがあり、人にはわからない言葉でした。誰かが解釈してくれなければ理解できなかったようです。パウロは、異言も預言も人々に理解できる明確な言葉によって「教会を造る」ためのもので、その基準と目標は「愛」にあると言うのです。愛を持って語るということです。
今年の学校放送コンクールのラジオドラマ最優秀賞は「文字化け」という作品でした。ある日、一人の高校生に文字が形になって見えるようになるという作品です。友達との会話、街角での冷たいやりとり。ある時は友達の会話が剣となって刺さっているという光景が見えます。言葉が剣となって人を傷つけるということを知るのです。言葉はすべて意味を持っており、それによって傷つけ、癒され、慰められていくことを学ぶのです。言葉が形になって見えるということの発想と、これをテレビではなくラジオドラマにしたことに大きな意味があると思いました。
いろいろな種類の言葉があり、すべては意味を持っている。その言葉を語るときに、愛がなければ人を傷つけ、痛みつけてしまいます。大きな重荷を与えることもあります。自分のことばかり考えた言葉は、人にどのように伝わっているでしょうか。言葉は発したとおりに自分にも帰ってきているように思えます。神様の言葉を語る牧師・信徒は自分がどんな言葉を語っているかの点検も必要です。