創世記 30:36 自分とヤコブとの間に歩いて三日かかるほどの距離をおいた。
旧約聖書の物語に、ヤコブと舅ラバンの話があります。ヤコブは兄エソウの怒りから逃れる旅を強いられやっと親戚の家に出会います。その地でラケルと出会います。しかし、その父親ラバンの巧妙な策略によってヤコブは騙されたり、不当な労働をしいられたりするのです。ついには、ヤコブとの距離を3日ほど置いたと言う話です。この3日の距離を置かねばならなかったほど、この関係は冷たいものだったのでしょう。
ドイツの道路でよく見かける動物がいます。それはハリネズミです。哲学者ショーペンハウアーがこのハリネズミの寓話をつくっています。「寒い夜、二匹のハリネズミが体を温め合おうとしました。二匹は近づくのですが、体に生えている棘でお互いを傷つけあってしまい近づくことができません。そこで、近づいたり離れたりを繰り返しているうちに、ちょうど良い距離をみつけました」。私たちは生きて行く上でお互いの間に距離をおきます。その距離間が分からない時があり、その距離が読めないときもあります。しかし、この距離感をきちんと踏まえてないと相手を傷つけ、自分が傷つくことになります。
イエス様は、「神の国は、あなたがたのただ中にある」といわれました。これは中のことではなく、「間」という意味もあります。人と人との間にはイエス様がいてくださるのです。お互いがこのイエス様とつながって距離間を保つとき、平和がくるのではないかと思います。イエス様を間にはさんだ距離とはどれくらいでしょうか。しかし、その距離は間にあるイエス様を通るということで、「愛し合う」「赦し合う」「認め合う」というフィルターを通ることになります。