ルーテル支援のひとつに「おすそわけプロジェクト」というものがあります。全国の教会から、家の台所にあるものをおすそわけくださいというプロジェクトです。避難所から仮設に移った人たちは、その日から生活がはじまります。その時に必要なものは、みんなの台所にあるものです。調味料一つから揃えなければならないのです。
昨日、ある仮設住宅で女性会連盟の役員さんたちと「おすそわけプロジェクト」を行いました。この地方の仮設では4か所目となります。4回目ともなれば「ルーテルおすそわけ」が口コミで広がっていました。第1回目のときは20名位の被災者の方がこられたのですが、今回はなんと開始1時間以上前にすでに100名の方が仮設集会所前で待っておられました。これを見た時「大変なことになった」と思いました。品数が100名に対して少ないと思ったからです。これではみんなにいきわたらない可能性がでてきたのです。しかし、それでも計画通り実行することにしました。やっぱり、最終的には一つもとることができない人もおられました。
申し訳ない気持ちでいっぱいになっている女性会の方々のところに一人のおばあさんがやってこられました。被災者の方で99歳だそうです。彼女も1時間まってなにも受け取ることができなかったのです。おばあさんは女性会の方々に優しく言われたのです。「あんたちは悪くないよ。遠くから物資をもってきてくれたんだから。もらう方も悪い。みんなでわけあってもらえばいきわたる。ひとりがたくさんとったからだよ」と。
私たちもおすそわけのやり方や、物資の数についてもっと考えなければなりません。今回いやな思いにさせたのも事実です。でもこのおばあさんがわざわざ言葉をくださったことでどんなに救われたことでしょう。被災地には多くの課題があります。いま救援の過渡期ですからしょうがないことです。しかし、その中で神様はたくさんのことを教えてくださいます。今日の聖書日課は5千人の給食です。「わけあう」「満たされる」ここにいまイエス様のメッセージがあると思います。