熊本での講演の帰りに実家に寄りました。久しぶりの立野村ですが、何もかわらない所が安心できました。母と二人きりで温泉にいったり、手料理をご馳走になったりとゆっくりできました。秋のはじめでしょうか、虫の音もさわやかに鳴いておりました。
母の部屋を通りかかったときでした。枕元に1冊の本が置いてありました。毎晩寝る前に読書でもしているのでしょうか。枕元の本をみて少し照れてしまいました。その本は「神様のクレヨン4」だったからです。母が寝る前に読んでいる本が自分の著作だったとは。どんな思いで読んでいるのでしょうか。家族が書いた本、しかも息子が書いたものを読むとはどんな感じかなと思います。直接感想をきいてみればよいのですが、それもできずに。いつか聞いてみたいものだとは思います。
「神様のクレヨン」を執筆しはじめて25年目になります。ということは来年「神様のクレヨン5」が出版されることになりそうです。5年で1冊。引退までに7冊の出版。はじめは面白がって7冊の出版が終わったら虹のように並べて祝賀会なんて言っていました。ところがそれが現実味をおびてくると、なかなか複雑な気持ちです。よくここまで神様の導きがあったと感謝でいっぱいだからです。自分だけの力ではできませんでした。家族の協力、読者の応援と祈り。そしてなにより毎週という時間があってこそです。
「神様のクレヨン」はこれからがラストスパートです。残り15年にむけて、まとめの時期にはいります。一人の牧師が毎週出会ったことを書き続けただけですが、いつしか家族の歴史になっていたり、教会の歴史になっていたり。その歴史もごく身近な出来事の連続であったり。そんなささやかな神様からの贈り物を書き留めてこれた幸いを感謝し、これからも最終章にむけて新しい一歩を踏み出そうと思います。